一泊二日、富士山登頂!

●参加者 自分のみ

●移動方法 28号

●決行日 2009/9/6〜2009/9/7

 記念すべき第一回目のイベントは、富士山登頂という日本人なら一度はやってみたいな〜と思うものである。

が、川崎から自転車で行って御来光見たその日に帰るのは二度とやるものではない。

 写真を使いながら、この度の暴挙を記したいと思う。

 

●事の始まりはF氏の言葉からだった(確か9月1日)。

「K氏が京都から町田までママチャリで帰宅したってよ。」

・・・意味が分からない。話によると、K氏は親戚の方と新幹線で京都に行き、現地で中古のママチャリ(7000円、本人談)を購入。

野宿で一週間かけて帰宅したとの事(親戚の方は何故かマウンテンバイクだったらしい)

 こんな話を聞いてしまったら何かしなければならない。しかしもうすぐ学校始まるし、バイトも1週間以上の休みを取れるほど金に余裕も無い・・・

そうなると三泊四日が限界。それで京都〜町田の奇跡を越えるには何をするべきか・・・

10分ほど悩んで「富士山は日本一」的な発想が出たので目標を富士山にした。

K氏は小6で父親と富士山登頂したと言ってたが、単身でお鉢巡りまで決めてくれば誰も文句は言わないだろう(本当に誰?)

2〜3日かけて富士山の情報収集。決行は6日と決めていたので大忙し。

F氏の協力の下、ネット上から必要なデータをかき集めながら、非常食(カロリーメイト的なもの)等の準備に取り掛かった。

最初の予定はあくまで三泊四日で、6日出発の9日帰宅予定だったので、万一に備えて翌10日のバイトの休暇を貰った。

責任者に事情を話すと大爆笑されたが、出発前日の夜勤の際に若干の援助金を頂いた。この場に改めて感謝の言葉を記したい。

 

●2009/9/6/0:00

 起床。あらかじめ準備は完了していたので、親友からのメール「グッドラックb」に返事をして出発。玄関先に母親からの援助金と「気をつけて」のメモ。心から感謝した。

バイト先(本内容からジャンルの推理可能)に寄り、缶コーラを購入。店長に挨拶したら、「気をつけて行け」との言葉を貰い、バイト中の従業員の声援を頂いて再出発。

 40分ほどで鶴川駅に到着。鶴川街道沿いのセブンイレブンで超早朝食。野良猫に懐かれたのでおにぎりの米を少しあげたが、口元に張り付いて気持ち悪そうだった。

 フラッシュのせいで恐ろしい生物になりましたが、実際かなり可愛いかった。

 橋本方面から津久井道(国道413号線)を走り、4時間ほどで山梨県に到着。セブンイレブン前で小休止。謎のおじさんAに声かけられ、30分ほど雑談。ちょっと疲れた。

5時頃に月夜野キャンプ場上に到着。3年前に友人達と来た時の半分の時間で到達。ちょっと悲しい気持ちになった。

 キャンプ場自体は川辺まで下った所なのだが、傾斜が富士山5合目までより険しい。自転車は乗れない。

 さらに1時間ほどで道の駅・道志に到着。予定(8時過ぎ)より早すぎて店閉まってる。ストレッチと給水しながら30分ほど休憩して出発。この辺から暴挙の兆しが・・・

 日曜日かつ早朝だったのでライダー(バイク。自転車ではない)が沢山集まっていた。バイクには最高の道だと思う。

 さらに1時間半ほどで山伏峠の頂上に到着。ママチャリの漕げる傾斜ではないのでほとんど引き摺ってました。トンネル見えた時にはガッツポーズ出た。

 写真は帰り道のもの。走ってる時に脳内で「3年峠で転ぶでないぞ」のフレーズがループしてた。(無関係)

30分ほど下って8時過ぎに山中湖。過去の道志訪問の経験から、休憩含めて12時間の予定が大幅にずれた。一日目をここで終わろうと予定していたのに大誤算。

昼間は自転車乗りたくないので屋根付きベンチで寝袋引いて就寝(午前9時)。周囲の目なんか気にならない地方の魔力。ここで三泊四日が二泊三日になった。

 友人に山中って苗字の奴が居るが、どうでもいいですね。

 17時に起床。とはいえ、意識ずっと残ってたので睡眠とはいえない気がする。近くのセブンイレブンで夕飯食べて須走り5合目目指して出発。

1時間で「ふじあざみライン」(静岡県道150号)に到着。ここから5合目まで高低差1200m、距離12000m。

・・・なんだろねこれ。登り始めたら日が暮れて、樹海さながらのノリで2時間半も山道を一人で歩く作業に入ったよ。暗すぎて写真取ってない。ホームシック発動その1

 20時半に瀕死状態で5合目到着。売店の人に「自転車はどこ置けばいいですか」と聞いたら

「その辺に置いておいて下さい」

と言われた。手すりに鍵付けました。ギリギリ売店が営業してたので金剛杖(聞きなれない言葉っぽいけどつまり木刀)を購入。

周囲の人たちが御来光目指して登り始める(登頂目安が6時間)。僕はそんなことより休憩だって事でまた人目ガン無視でベンチ+寝袋のコラボ。一日目終了。

 

●2009/9/7/0:00

 起床。ただしほとんど意識が残ってたので、睡眠としては1時間くらいかと。目覚めたらあまりの寒さにビックリ。こりゃ死ぬ(Tシャツ1枚に短パン)と思い、装備変更。

台所用ゴム手袋に軍手で手は完璧。靴下を二重にして長袖シャツ・パーカーにレインコート被ったら不審者になりました。ちなみに靴は単なるスニーカーです。

30分ほどで身支度・カロリーメイトっぽいものの摂取を終え、出発。日の出が5時予定なので普通に御来光諦めモードで楽しむことにした。

森の中をライト1本の明かりのみで抜けるのは、とても肝試しな感じです。6合目まで誰にも会わなかったし。そんな森を50分ほど登ったら小屋が見えてきた。

 6合目で一人身のお兄さんと遭遇(自分が言えた立場ではない)。御来光間に合いますかね〜的な雑談をしながら、1合1時間で間に合うという計算が終わった。

最初の1合を50分で登ってしまった自分は、「あれ、間に合うんじゃね?」という妄想を抱いて5分休憩から即出発。

この時別れたお兄さんは、頂上での御来光に間に合ったのだろうか(反語)

 6合目の自販が高すぎて吹いた。

 ここから時計を見てないが、ちょっと登ったら本6合目とかいう場所に到達。なんとなく帰りたくなった。何この罠(実際は休憩の目安の為にあるっぽい)。

7合目までにカップル一組を追い抜きテンションアップ。7合目で自販無かったので、宿のおばちゃんにアクエリ頼んだら550円でした。金より命である。

 本7合目という死ねばいいシリーズその2を超えて、8合目に着いたら人がゴミのようでビックリした。隣の登山道と合流したようだ。

 疲労でネタを取り忘れたが、カップ麺が600円だった。(カップヌードルと赤狐・緑狸)

9月入った平日だってのにツアーの高齢者が残念なほどいて、頂上まで渋滞が発生してた。一気にやる気なくなった。ホームシック発動その2

 3時半で御来光がここでも十分見えるし、8合目までで終える方も居るような事を聞いた事があったので、自転車の言い訳をして本気で辞めようと思った。

でも緑狸食って、焼印入れて貰ったらやる気回復し、K氏への挑戦よりも高齢者に負けるのが最高に癪だったので4時に登頂再開。さあ奇跡の始まりだ。

 ツアー客の渋滞見ながらコミケよりましだと妄想しながら暴走。人を抜き去っても文句言われないのでゴボウ抜き。すごく気分いいよアレ。

9合目まで登った辺りで後ろに光が見え始めた。ピンチだと思いラストスパート(御来光諦めたとか言った気がするけど無視)

 リアル100人抜き近くかまして、4時50分に頂上着。ここが今回の最高テンション。以下スーパー御来光タイム↓

 山頂は素晴らしい景観が多々あったが、とりあえず選りすぐりな物だけ公開。写真はお鉢巡り中に取った。影富士は考えてなかったサプライズ

 コーラの横は3776mの石碑。ちなみにこのコーラはバイト先で買った代物。酸素薄くて飲んだら吐きそうでした(一口で捨てた。ゴメンナサイ。缶は持ち帰り)。

謎のおじさんBと30分の雑談。バナナ二本とおにぎり・梨を頂きました。荷物増えましたが空腹だったので感謝。梨は実家でおいしく頂きました。

 特にやる事無くなったので(もっとゆっくりしてけ馬鹿)7時半頃から下山開始。前半から砂道が多くて靴が心配になってきた。

須走り用の下山道(途中まで隣と兼用)に入ると、そこは砂走りだった(誤字ではない)

 90分ほどこんな道。靴よ、お前の事は忘れないぜ

 1歩毎に靴に砂が入り、斜面を滑るのでガンガン靴が削れていく。3分で靴に死刑宣告出して高速下山開始。ホームシック発動その3

写真に写ってる人全員抜き去り、5合目に着いたのは下山開始からわずか2時間弱であった。

5合目で、援助金を出してくれた母と責任者に感謝の意を込めて土産を購入。荷物が入りきらないので籠に衣類を移動。飛ばないか少し不安だった。

金剛杖は自転車の横に括り付けた。左足が引っかかるので邪魔だった。

 1時間の休息の後、下山開始。

したのはいいが、今回はとことん下りに縁が無いようで、下りが急過ぎてブレーキ間に合わず、カーブに張ってあったロープに突進。籠の衣類と共に自分が飛んだ。 分かりにくいが、登ってるように見えて下ってる恐怖。もっとわかりやすい場所あったが、取る余裕無い。

 幸い自転車は無事で、自分も手首を捻っただけで済んだ。サドルを限界まで下げて低重心走行開始。あんまりブレーキかけると手が疲れるので軍手装備。

事故ってた時間抜きで12kmの道を約15分で走るのはなんというバイクですか?(最高時速推定60km)ホームシック発動その4

 ヘロヘロになりながらも12時に山中湖へ帰還。登山開始予前の定だと富士山を15時過ぎに出る位の予定だったのでやる事ない。

ここから8時間ほど睡眠を取って帰宅開始するのが人として正しいのだろうが、二泊三日ではなく一泊二日でいいじゃないかというホームシックの神が光臨。

わずか1時間の休憩から帰宅の道を歩み始めた。

 

●帰り道は基本下りだと分かっていた(行きで登ったので当然)ので楽勝ムードで走行。山伏峠を越え、いざ下りに入ると気分が優れない。下りの祟りである。

気のせいだという事にして下り続け、神奈川県に入った辺りで致命的な嘔吐感が発生。吐いたが中身が無い。

・・・そういえばまともな食事を最後に取ったのは昨日の夕飯だけだと認識した(他は栄養ドリンクとカロリーメイト風のもの等)

残りの道を3時間半ほどで帰宅できるペースだったが、睡魔と空腹と疲労で死亡フラグMAXになったので立ち往生。

しばらく徒歩で移動したら、幸運にも10分ほどでセブンイレブンに着いた(謎のおじさんAと雑談した場所)。濃い味ラーメンを1本ずつ食べる瀕死プレイをかました。

ここまで二日間の水分補給をポカリスエットかアクエリアスでしか摂取していなかった(普通の水は飲んでいない)ので、気分転換にレモンウォーター購入。

30分ほど休憩して出発したが、まだ気分が悪い(そもそも計画が無理)。道端の公園のベンチで仮眠を決意。一泊二日を諦め、目覚ましとか無しで就寝。

 で、目覚めたら2時間ほど経過してた(18:00 今回唯一の意識なき睡眠)。目覚めたら吐き気は失せてた。

行きの3時間目辺りまで来てたので、下りを考慮して帰りも3時間で帰れると考察。ということは出発から45時間という伝説が作れるではないかと。

 そんな馬鹿な事、一度浮かべてしまったらやるしかない。写真とかガン無視で帰巣本能フル稼働で猛発進。火事場の馬鹿力ってこんな感じかと思う。

そして大した問題(ネタ)もなく、20:50分にバイト先へ帰還報告。普通に三泊四日と宣言してたので凄く驚かれた。最高に幸せだった。

土産を置いてすぐに帰宅。リアル汗臭いので店に長くは居られない。で、45時間伝説達成。20:58分帰宅。風呂入って飯食って寝ました。

 

●今回の反省点は、写真が風景的なものばかりで親近感が沸かないかな〜といった所。あとは一人って本当に無理できるので、一人旅はするものではないと痛感した。

K氏の京都〜町田に対してこれ以上ない切り替えしが出来たとは思う。悪いけど時間があれば出来るとか、そういう話ではない。というか二度と出来ない、やりたくない。

最後にこれを書いた自分に一言残す。

「思い出は美化される。今回の真実を決して忘れては駄目だ!」 以上ここまで読んでくれた方、ありがとうございました。

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